海外便のこと便-韓国・中国便-その1-<韓国便/中国便の仕組み-その1->日本のアニメでは、動画仕上げはほとんど、韓国・中国に頼っています。 人件費が安いため、日本より多くの労働者が集められて、 大量に仕事がこなせるからです。 原画もこなします。 下手すると作画監督までこなします。 最近では特定の上手いアニメーターを指名して原画に育てたり、 特定の会社に資金を投じて、質の高いアニメ会社に育てたり、 各会社さまざまですが、海外の会社と必ず何らかの関係を持っています。 関係が始まったのは私が聞くところによると、15年程前にさかのぼるようです。 TVアニメが(今ほどではないですが)、大量放送という波がきていたころです。 年代的には80年後半から90年代初頭です。 老舗アニメ会社が安定している影には、 意外と海外との関係が上手く行っているという背景があったりします。 海外と仕事の契約を結び方は、いろいろあるとおもいます。 そういうのは良くわからないので、進行が関わる話の方で進めたいと思います。 海外と荷物をやり取りするために各会社、通称「協会便」を扱う組織に入ります。 「協会便」というのは、端的に言うと →持ち回りで荷物(動画仕上げ前の素材)を飛行機に持ち込んで、 相手国(韓国・中国)にもって行って、 仕上がった荷物(動画仕上げ済み素材)を持って帰ってくる便 。。。です。(もっと簡単な書き方を考えたいTT) 毎日毎日荷物を業者に委託して頼むと、高いし、時間がかかる。 かといって自分達の会社の人間が毎日毎日、飛行機に乗って行くほど余裕もない。 →だから、ちらばったアニメ会社が数十社あつまり→協会をつくる。 協会便の発送の流れは大体以下の通り。 ↓ *その協会で事前にきめたローテーションにより、 持ち回りの回ってきた担当会社は、飛行機で渡韓・渡中する人を決める。 →便の予定を決める。 ↓ *便前日夜か便当日の朝、その日の担当会社に、 他の会社の進行達が荷物を持ち込みにいく。 担当会社は荷物をしっかり受け取る→持ち込み。 ↓ *担当の会社の人間が車で成田空港に行って、渡韓・渡中。 相手会社(ピックアップ会社)に他の会社からの荷物も いっしょに渡す。→協会便の行き終了。 ☆韓国・中国側にも同じようにアニメ会社の協会があり、 ローテーションで日本から協会便でやってきた人間と荷物を迎えます。 荷物は空港で開かれるか、韓国・中国側担当会社で開かれ、 (韓国・中国側の)会社の制作進行が引き取っていきます。 *帰りの便、空港出発前に担当会社に出来上がった日本行き荷物を持ち込む。 担当会社は荷物をしっかり受け取る。→持ち込み。 ↓ *後は空港に向かってGO! 日本について、元の会社に無事到着したら、 荷物の数と各会社の荷物を分けて、引取りにきた会社に引き渡す。 →協会便の戻り終了。 たらたら書きましたが、 要はジャパメーションと騒がれている日本のアニメーション産業では、 1.海外を使うことはあたりまえになっていること。 2.そしてその輸送方法は、なんと各アニメ会社が協力して人と車を出して、 自分達で仕事の荷物を海外に持っていって、節約していること。 以上のことが言えるのです。 制作進行の初めての仕事の一つは「車をつかった外回り」です。 *(周辺・主要幹線)道路を覚え。 *車の運転技術を身につけ。 *(協会便・原画LOの回収にいく)ほかのアニメ会社の場所を覚える。 先輩に着いていったり、自分で地図見ていったり、 進行にとって初めてぶち当たる壁かもしれません。 でもこれができないと、先に進めません。 韓国・中国便両方存在します。 中国便はあまり使用していなかったのでわかりませんが、 韓国便だけでも第一、第二、第三協会便と (協会便ではないが同じ手法をとっている)個人経営の便の 4種類は確認しています。 あとはプライベート便といって、たまにプライベートに海外に行く人がいて、 ついでにお願いして持っていってもらう。。。ということもあります。 そういったことは日ごろの付き合いというか、人脈によって情報がきます。 一つの協会便につき大体10~20くらいの会社が加盟しています。 さてこうした便のやりくりにはそれなりの決まりが必要なのですが、 それは次の項目で説明したいと思います。 <つづく> |